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僕がジェネラリストMRを目指した理由2つと抜けていた視点

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今日もお疲れ様です。4月になり、今年も新人が入ってくる時期になりました。コロナ禍様式での就活がまさか2年連続になるとは思いませんでしたね。就活生の方々も大変な思いをされていると思います。今回は就活を振り返って、なぜ自分が今のジェネラリストMRを目指したのかという理由と、なってみて分かったギャップを書いていきます。

 (目安:2分)

【目次】

ジェネラリストMR

ジェネラリストMRって?

こちらの記事をご覧いただいている方の中には、就職先や転職先に製薬会社を検討されている方もおられるかと思います。多くの方はすでに業界研究や他の方のサイト等でご存知のことと思いますが、簡単に解説いたします。

 

ジェネラリストMRとは、その名の通り「領域を区分せず、自社医薬品を広く扱うMR」のことです。製品軸で区切ることはありませんので、訪問する診療科も非常に多くなります。主にプライマリー領域の製品が多いメーカーに多いです。どうしても扱う品目数が多くなるため、担当するエリアは狭くなります。

 

一方、対義語になるのはスペシャリストMRです。〇〇領域MRと呼ばれることもあります。限られた製品のみに特化した情報提供を展開するMRですね。例えば、オンコロジー領域はその治療の難しさから、多くのメーカーでスペシャリスト制を敷いていることが多いです。

プライマリー領域って?

プライマリー領域、聞きなれない方もいらっしゃるかと思いますが、製薬業界においては「生活習慣病領域」を指します。高血圧・高脂血症・糖尿病など、まずは食事や運動を見直しましょうと言われるあたりの疾患ですね。

 

加えて、生活習慣病の枠からは少しはみ出しますが、ドラッグストアでも買えるような製品も該当します。抗アレルギー薬や湿布薬、風邪薬などですね。

 

生活習慣病の市場はとてつもなく大きいので、多くのメーカーで参入してきます。同じ薬効でも複数の製剤が発売されるので、熾烈なシェア争いが繰り広げられます。

 

理由とギャップ

 パンデミック前後での働き方についても書いていますので、もしよろしければそちらもご覧ください!

 

mrtofire.hatenablog.com

 

理由1:高齢者になればなるほど合併症は当たり前だから

就職活動の際、もちろん僕も企業研究を必死にやりました。その中で、僕の中の一番大きな判断軸にしていたものが、「ジェネラリスト制かスペシャリスト制か」でした。

会社説明会やインターンシップに参加すると、うちの会社はこんなやりがいがあります!とか、こういう素晴らしい制度がありますというアピールポイントを知ることが出来ますよね。ただ、僕としてはMRとして働くのであれば、どういう働き方が出来るのかを重視したいという考えがありました。

 

少し脱線してしまいましたが、結果的にジェネラリストを選んだ理由の一つが、「高齢者と合併症」です。少子高齢化がますます続く日本において、もはや生活習慣病が一つだけという患者さんは少ないだろうというのは想像しやすいかと思います。診療に当たられている医師の方々も、一つの疾患だけをケアすることは少なく、包括的に治療提案をするのであれば絶対にジェネラリストでないと出来ないだろうな、と考えたのが理由の一つです。

理由2:薬学部で学んだ知識を最大限活かしたかったから

理由1にもリンクする部分はありますが、せっかく薬学部で薬学を学んだのであれば、その基礎的な知識を最大限に活かしたかったからというのが二つ目の理由です。医師と包括的に話せるようになるには、自社製品にない領域についても話し込めるベースが必要です。6年間という時間をかけて学んだことは、この点において絶対に強みになると考えていました。

ギャップ1:専門医と非専門医の存在

実際に現場に出てみて、ジェネラリストでよかったなと思うこともあります。訪問するネタが豊富という意味では大変助かっています。総合内科の医師に、普段は内科系疾患ばかりで話していても飽きられてしまいますが、たまーに外科系の話をしてみたりすると「他のメーカーからは聞けない情報だからありがたい」と感謝されたこともありました。

 

ただ、どうしても専門医であったりこだわりを持って治療している疾患群について話し込むときは、圧倒的な知識不足や深み不足を感じます。やはり相手は医師。ジェネラリストとして広い知識を付けただけでは、実臨床との知識レベルが段違いです。

 

その点、スペシャリストMRは一般の話からものすごくコアな基礎研究の話までネタが豊富なので、厚い面談をしています。

ギャップ2:制度は永遠じゃない

入社するときの判断軸が「ジェネラリストかスペシャリストか」だったというお話しをしました。当時は学生だったので仕方ないかもしれませんが、社内制度に永遠はないんですよね。その視点が抜けていました。

 

今はジェネラリストとして活動出来ていますが、将来的にこのままである保証はありません。また、特許ビジネスである業界なので、いつまでも同じ製品を扱えるわけでもありません。次々と新しいラインナップに変わり、その過程でターゲットとなる診療科も変わっていきます。目先の働き方という意味では判断軸として使えると思いますが、今思えば制度は永遠じゃないという視点が抜けていました。

まとめ:「働き方は変わるかも」と踏まえたうえで

生活習慣病の治療薬が飽和してくるなかで、ジェネラリストMRの活躍の場は少しずつ減っていくかもしれません。そういった空気を現場で感じます。プライマリー領域の薬剤だったとしても、今後は低分子医薬品よりもバイオ医薬品であったり、より高度な情報提供が求められるようになるかと思います。

 

ジェネラリストはジェネラリストでやりがいのある仕事です。今後、スペシャリスト制を敷くメーカーが増えてきたとしても、現時点でジェネラリストMRを経験で来ているというのは、経験としての武器になると思います。生活習慣病の新薬が減っていったとしても、生活習慣病はなくなりませんからね。もし製薬業界、MRへ就職希望の方がこちらの記事をご覧いただいていましたら、ご参考になりますと幸いです。

将来性についても関連記事がございますので、もしよろしければご覧ください!

 

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