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【MRのキャリア】本社スタッフでのキャリアアップと向いている人

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今日もお疲れ様です。年度が替わり、心機一転頑張るぞと意欲に燃えている方や、新天地での生活にあくせくされている方も多い時期になりましたね。今回は、内資系製薬会社に勤務して5年目の私が、自分が今後どうありたいかも含めてMRのキャリアについて書いてみます。

 (目安:3分)

 

 

今回は本社スタッフ編ということですが、営業畑編も書いておりますので、もしよろしければそちらもご覧ください。

 

mrtofire.hatenablog.com

 

【目次】

主要なポスト・部署

マーケティング関連部署

 

言わずと知れた営業戦略を立案する部署で、医薬品の場合は「いつごろに新しいエビデンスが出てくるから、それに先駆けて活動のノイズをあげておこう」といった展開がされます。

ご存知の通り、医薬品の開発には臨床試験が必要なので、新しい市場を開拓したり競合優位性を作り出すまでには比較的長い時間が必要になります。例えば、「肥満の患者さんに対する有効性で勝負したい」という戦略を打ち出したいときは、その目的を達成するためのエビデンス創出を目指すわけですが、結果が出てから情報提供活動を開始したのでは浸透までに時間がかかります。

そこで、ある程度目途が立った段階から、「肥満患者での満たされないニーズとは?」といった形で医師に想起してもらう活動を展開しておき、大々的に情報提供できるときに一気に処方につなげる、という流れです。

 

こういった部署に行く場合は、開業医市場・病院市場での豊富な経験だけでなく、ある程度のマネジメント経験も求められます。営業所長として結果を残された方が、さらにその出世先として進むことが多いです。

 

人事部

どこの業界でも、入社直前直後では最も密接に関わる部署ですね。また、製薬メーカーの人事部も営業部とは切り離されていることが多く、一度人事部へ異動したら現場へは戻れない、いわゆる「片道切符」になるキャリアでしょう。

 

業務内容としては部内で細分化されています。採用担当として新卒・中途の採用スケジュールを調整したり、実際に面接官をしたりします。冬から春にかけては新卒採用に向けた準備、また夏から秋は中途採用のために全国を飛び回るという、忙しい部署でもあります。

 

僕の周りでも人事部を志望する方は多いのですが、実は意外と狭き門です。というのも製薬会社の場合、社員構成を見るとたいていはMRが最も多くなります。しかし、採用すべき職種はMRだけでなく研究開発職や法務スタッフなど多岐にわたり、それぞれから人事部へ異動してくるケースもあります。

MRから人事部へ異動する人は、圧倒的に人を惹きつける力があると感じます。見た目のキレイさとかいう点ではなく、一緒にいる人を楽しませるカリスマ性という感じです。それによって、人の本音を引き出すのが上手く出来るという側面もあるのでしょう。特に採用担当者の場合は会社の顔にもなる位置づけですから、こういった要素も求められているのかもしれません。

営業成績も並外れた結果を残された人ばかりです。必ずしも営業所長などのマネジメント職を経験しているわけではありませんが、「もしずっと営業畑にいたら確実に所長以上のクラスになっていただろう」という方が進まれています。

 

プロダクトマネジャー関連部署

少数の製品の売り上げ拡大のための戦略を立案する責任者です。マーケティング部と異なるところは、品目ごとのパンフレットを作成したり、全国規模の大きな講演会を企画したりする点です。MRのようにエリアを回るということは少ないですが、マーケティング部よりは現場に近い部署になります。

 

また、「育薬」に関与する部署でもあります。上司されてすでに広まっている薬の適応拡大を目的に臨床試験を組んだり、現場で満たされない医療ニーズを満たすために、今ある薬をどう育てるか?というミッションを掲げています。

 

学術担当者と同じように、とことんやりぬく忍耐力を持ち合わせている人が向いていると言えます。

労働組合

現場や会社組織からは少し離れて、職場環境の改善や働きやすい仕組みづくりのために活動している組織です。近年では、経団連からの賃金アップの働きかけもあり、給与体系や福利厚生制度の見直しのために最前線で動く部署という印象が強いのではないでしょうか。

 

もしかしたら他の業界と同じかもしれません。製薬会社の場合は、現場MRとして働きながら労働組合としての活動を両立する人が多く、その活動の延長として組合活動一本でやりたいという方が進まれます。

 

文字に起こすと「組織運営に携われるカッコイイ感じ」と思いますが、実際は泥臭い仕事も多いです。営業部門でいえば「現場で感じる本社戦略とのギャップ」をクレームとして投げられることも多いためです。それぞれの意見をうまく吸い上げながら、会社と交渉していく材料にまとめ上げる論理的思考力が重要になります。

 

まとめ:選択肢が増えるようなキャリアプランを

いかがでしたでしょうか。もちろんこれ以外にも本社スタッフで様々なキャリアプランがありますが、身近なところではこの辺りかなということでまとめてみました。さすがに本社スタッフとなると、営業畑を上り詰めるよりは狭き門である部署が多いですね。向き不向きはありますが、僕としては今後も、将来の選択肢が増えるように意識して業務に取り組みたいと思います。