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【採用と将来性】コロナ禍ニューノーマルでMRを目指す就活生は本当にハズレなのか

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今日もお疲れ様です。ここ最近の日刊薬業のピックアップ記事に、新卒採用数とMR数の変化に関するものが立て続けに掲載されていました。世間一般では「もともとMRは過剰なんだから、デジタル化が進んでもっと減るのは当然」という意見もあります。今回は、コロナ禍に伴う環境変化に関連して、MR職を志望する方の将来性について触れていこうと思います。

 (目安:2分)

【目次】

MRの"絶対数"は間違いなく減っていく

2021年度新卒採用数は3.3%減少

2021年度の国内雇用調査によると、新卒採用は前年度に比べて3.3%減少しています。主要企業58社への調査の結果ですが、全ての企業で減少しているわけではなく、中には増員している会社もあります。従来より採用人数の多かった第一三共や武田薬品は約半数に減少。特にMRの新卒採用の減少が顕著です。

 

大企業は毎年のように50人以上の採用をしていましたから、さすがに下落幅が大きいようです。エーザイが大幅に増員していますが、直近で300人規模の早期退職をしていましたから、ある意味人員の新陳代謝の後半なのだと思います。

MR減の理由は?

理由としては、業務のデジタル化が進んだ結果、必要とする人材が変化したからだそうです。また、オンライン面談では学生のスキルの評価が難しく、控えめな採用になったという見方もあります。

 

新卒MRだけで見ると8.1%の落ち込みですから、他の職種と比べて必要価値が最も見直された職種と言えます。一方で、研究開発部門は採用人数が増加しており、人的リソースを新しいシーズの創出に振り分けたということが見てとれます。

転職サイトのMR求人数は頭打ち

実は今年の1~3月のMR転職求人数は、前年比1.5倍と伸びていました。度重なる早期退職でスリム化したのはいいものの、新製品導入にあたって初動の人員が必要な会社が募集をかけたようです。ただそれもすぐ落ち着き、絶対量としての募集数は減ったままとなっています。

 

これからは人数ではなく構成比

デジタル化で感じる"ジェネレーションギャップ"

緊急事態宣言により、有無を言わさずオンライン会議を余儀なくされてから早1年。始めこそ誰もが「ハウリングしてます!」「ミュートになってます!」というトラブルが続き、まともに会議にならなかったこともありました。これだったら無理にでも会議せずに、集まれるようになってからやってもいいんじゃないの?なんていう意見もありましたが、今ではオンライン会議がむしろ当たり前になりました。

 

こういう変化はよく自転車の練習に例えられますね。初めて乗った時は全然上手くいかず転んでばかりなので、これだったら歩いたほうがマシだなんて言ってしまいます。ただ、転んでも転んでも練習していくうちに乗りこなせるようになって、もはや自転車が当たり前になる。

 

デジタル化やオンライン会議もまさにそんな感じです。今でこそ普通に扱えます。ただ、習得するまでにかかる時間についてジェネレーションギャップを感じます。

 

もう1年経ちましたが、今でもZoomミーティングを立ち上げられない方もいます。どうしてもベテランの方に多いのですが、何か一つトラブルが起こった時の対処の仕方が、年代によって全然違うなと感じます。例えば「カメラが映らない」という不具合があった時に、デジタルネイティブの世代であればいわゆる「ググる」ことによって自己解決しますが、ベテランの方はそのまま放置するケースも多く、「なんかカメラが映らないから」とうやむやにしてしまうケースが目立ちます。

大事なのは総数ではなく構成比

少し脱線してしまいましたが、MRの総数は今後も減っていくことが考えられます。デジタル化によってマンパワーの必要量が減っていますので、これは当然でしょう。

 

ただすべての年代で等しくMRがいらないかというと、そうとは思えません。少なくとも今この時点でデジタル化にどの程度適応できているかというレベル感で差が開いてきています。今後も会社はデジタルコンテンツを作成したり、デジタルを活用した施策を打ってきたりと、デジタル化ありきで活動を推進してくるでしょう。

 

そうしたときにいち早く活動できるMRとなると、どうしてもデジタルネイティブに軍配が上がると考えます。MRの絶対数は減らす一方で、デジタルツールを有効活用できる人材の構成比を高めていくことが必要となるでしょう。

デジタル化が目的になってしまって、置き去りになる"顧客体験"

もちろん、デジタル化が目的になってしまっては本末転倒ですよね。デジタルツールをうまく使いながら顧客満足度を向上させることが重要なのは変わりありません。

ただ、現状として活用できるツールには限りがありますメールでweb講演会を送るか、m3に流してみてもらうか。はたまた訪問できない病院でのZoomミーティングを取り付ける、そのくらいだと思います。

 

こうした状況の中で、どう活動していくかという思考回路についても、ジェネレーションギャップはあります。「デジタルツールをどう使うか」と考える世代と「それでもごりごり訪問してナンボ」と考える世代と。

 

今はどちらの活動も出来る状況にあります。ただ、今後は活動の範囲が広がるようにさまざまなコンテンツを各社が打ち出してくるでしょう。そうしたときにデジタル化が目的ではなくそうしたツールをうまく使って顧客満足度を高められる活動が出来かどうかが、求められる人材か否かに直結すると思います。

 

まとめ:絶対数は減ってもデジタルネイティブ層は増やすべき

ここまでお読みいただきありがとうございます。MRの絶対数は間違いなく減りますし、今後も早期退職の流れは続くでしょう。ただそれは新陳代謝するうえで必要なステップであって、むしろ新卒採用によってデジタルネイティブを獲得していくことは必要だと思われます。

 

情報系の学科を履修していました!というレベルは全然必要なく、今の20歳代であれば自然と身についているスキルだと思います。製薬会社の活動内容が変わっていくなかで、デジタルに強い人材の比率を高めていく。そのためにはフレッシュな人材が必要なことに変わりはありません。新陳代謝の前期段階として早期退職で”OUT”を促進。その後は"IN"を促進する必要がありますから、新卒MRとして就職するという道も、まだまだ将来はあると考えています。

 

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