バリスタ世界一、井崎英典さんの講演から感じた「起業と熱狂力」
昨日(5月20日)にオンラインで行われたVenture Cafe TokyoのThursday gatheringに参加しました。ご存知の方もいらっしゃると思いますが、このイベントは起業家や起業を志す人、投資家とのコミュニケーションを促し、つなげる場を提供しているものです。
昨日は、第15代ワールドバリスタチャンピオン(2014年)の井崎英典さんが登壇者となり、コーヒーの道を選んだきっかけや起業に至った経緯などをお話しされていました。
最初は「コーヒーで起業?カフェかな?」と思って聞いていたのですが、聞いていくうちにも起業家マインドとしてものすごく大事なお話しをされていたので、シェアいたします!(カフェかな?とか思ってしまってすみません。笑)
- 起業に興味がある人
- 誰よりもこれが好きだ、と思えるものがある人
- 人を笑顔にすることが幸せだと感じる人
講演について
伊崎英典さんって?
1990年生まれ。福岡県出身。高校中退後、父が経営するハニー珈琲を手伝いながらバリスタに。法政大学国際文化学部への入学を機に、(株)丸山珈琲に入社。2012年に史上最年少にてジャパンバリスタチャンピオンシップにて優勝し、2連覇を成し遂げた後、2014年のワールドバリスタチャンピオンシップにてアジア人初の世界チャンピオンとなる。現在はコンサルタントとしてグローバルに活動を続け、年間200日以上を海外で過ごしつつ、コーヒーエヴァンジェリストとして啓発活動を行なっている。
(出典:株式会社QAHWA 公式サイト)
高校を中退された後にコーヒーに出会ったことがきっかけだったようです。「たった1杯のコーヒーで人を幸せにできる!」という思いをずーっと持っており、高校に入りなおして大学を卒業するまで、その熱意は無くならなかったそうです。
上記の引用の通り、2014年に世界でたった一人だけが手にすることが出来る、ワールドバリスタチャンピオンシップにてアジア人初めての優勝。当時は「アジア人なんかには美味いコーヒーは淹れられない」と思われていたなかでの優勝だったので、ものすごいインパクトのある受賞だったと思います。
なぜコーヒーの道へ?
「たった1杯で人を幸せにできる」ということに気づいたこともあるそうですが、「コーヒーって美しい」と思えたからだとも仰っています。コーヒーは平和な飲み物だとも。
気持ちの部分のほかに、ビジネスチャンスとしても見ていたそうです。コーヒーはグローバルな飲み物でもあります。そこから考えられる市場性は計り知れませんね。世界一に輝いた実績をもってすれば、たとえレッドオーシャンだったとしても魅力的に映るはずです。
さらには機能性飲料のブームが来ることも予想していたんだとか。欧米では普通の飲み物にプラスアルファで何らかの機能が追加された飲み物が流行しており、将来的にはアジアにも入ってくるだろうと予想。これもコーヒービジネスへ乗り出したきっかけになったそうです。
Brew Peace!
伊崎さんが大事にしている言葉で、「平和を淹れよう」という意味です。先ほど、コーヒーは平和な飲み物だと書きました。それについても分かりやすく解説されていました。
例えば、長い海外旅行から帰ってきたときは、味噌汁を飲みたくなったりお寿司を食べたくなりますよね。やっと帰ってきたんだというような安心感を覚えると思います。ただこれは日本人ならではの感覚ですが、コーヒーならグローバルです。
いつでもどこでもほっとするような安心感を覚えることが出来る。コーヒーはそんな平和な飲み物なんだと仰っています。
コンサルティングや商品開発
現在はコンサルティング業としてコーヒーに関する新規事業のサポートをされていたり、飲料メーカーの商品開発に参画されていたりするそう。
なぜカフェをやらないんだと聞かれることも多いそうですが、そこで答えた理由が「コーヒーを淹れるだけでは、目の前の人しか幸せにできない。コーヒーを広める支援に携わることで、その規模はとてつもなく大きくなる」からというものでした。
ある東京の百貨店のイベントで12時間コーヒーを淹れ続けたことがあったそうです。そこで淹れられたのは800杯。たった800杯しか影響を与えられなかったのかとショックを受けたそうです。
- 2014年、アジア人で初のバリスタ世界一!
- コーヒーで人を笑顔にしたい!が原動力に
- より多くの人にコーヒーを届けるため、商品開発に挑戦!
起業で大事なこと
一貫した熱意
話口調から「あ、この人は本当にコーヒーが好きだし、コーヒーが人を幸せにすることが出来ると心から思っているんだ」と感じました。起業を志してからいくつもの困難が押し寄せてきたそうですが、その時の判断軸はいつも人を幸せにできるかどうかというもの。
自分が好きだからというのももちろんあるはずです。コーヒー好きについてはだれにも負けないという気持ちが、自信を与えているように感じます。その自信が行動に現れ、皆を喜ばせてあげたいという気持ちも相まって、ビジネスとして成長させられているんですね。
誰にも負けない「これが好き!」を持っているか
何かを"作る"力
自分の経験やスキルを使って、新しいものを生み出す力があるというのは魅力的に映りました。自分のビジネスを持つのであれば必須スキルですね。ただ考えるだけなら数えきれないくらいのアイデアを出すことは可能ですが、それを形にする開発力は重要です。
そして一番重要なのは、ただ開発するだけでなくそれが自分が本当に好きか、熱狂できるのかどうかということです。誰も作ったことがないものに時間もお金もつぎ込むというのは、相当に険しいことです。そんなときでも、自分こそがやってやる!という気持ちを持てるかどうか、それも一つの判断軸になりますよね。
アイデアを形に出来る開発力を持っているか
仮説検証を"したつもり"?
Thursday gatheringに参加してそれなりの数の起業家さんの話を聞いてきましたが、多くの方が「もう少し早くカスタマーの声に耳を傾けるべきだった」ということを話しています。この商品は絶対に売れると信じてローンチしても、思うように伸びない。そこでカスタマーの声を聞いて初めて次のアクションが見えるようになったというものです。
私でさえ「カスタマーの声を聞いて事前に仮説検証をすることが大事」だと理解しています。それでも先駆者の方が口をそろえてもっと検証すべきということは、起業してから直面する困難や分かれ道は、起業しないと分からないのかもしれませんね。
カスタマーの声に耳を傾けているか
まとめ
今回の講演では、好きを極めてビジネスにした方のお話しを聞くことが出来ました。内容も素晴らしかったですし、熱意ある講演ということもあり、モチベーションが大変刺激されました!
それでは今後自分はどうしていくかを考えた時に、今最も足りていないのは何かを作る力だと痛感しています。私の好きを形にするのであれば、それはやはりプログラミングです。期限を決めて、まずは簡単なアプリケーションをゼロベースで作るという自分との約束をしたところで、終わらせてもらいます。
今回ご講演された伊崎さん、本もご執筆されておりますので、気になる!というかたは是非お手に取ってみてください。
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